“手づくりのある生活”は人間本来の幸福につながる
消費生活を見直すことで、世界平和に貢献できる。自然素材を用いた手づくりを可能なところから生活に取り入れることが、環境を守り、世界の人々の幸せにつながる。平和のための新しいライフスタイルを提案するハンドメイド推奨本。“手づくりのある生活”を楽しむ人たちの体験談や、手芸、木工、リメイクなど多彩な作品を収録。
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(本文「はじめに」より)
皆さんは普段、どんなものを着て、どんな日用品を使っていますか?
多くの人は、シャツ、上着、ハンカチ、ポーチ、皿、スプーン、タワシ、本棚など、様々な衣服・日用品・生活雑貨を選ぶとき、「値段、デザイン、ブランド、流行、手軽さ」などの視点から購入し、使っていると思います。
私たちSNIクラフト倶楽部では、「安く、早く、楽に手に入れる消費生活」を当たり前とせず、できるところから、身近な自然素材で手づくりすることをお勧めしています。
SNIクラフト倶楽部は、宗教法人「生長の家」(Seicho-No-Ie)の一組織で、「自然重視、低炭素の表現活動」を暮らしの中で実践しています。手づくりが得意な人の集まりというわけではなく、「自然と調和した材料や手段で、自然の恵みを感じながら、イメージしたものを自らの手でつくる活動」を楽しむ集まりです。
今、地球上では、環境汚染、温暖化、異常気象、資源枯渇の問題などがあり、製造や物流においては、効率やコスト面を重視し過ぎた結果として、大量生産・大量消費を促しています。それらの多くは、人間の都合を最優先にした自然軽視の経済活動によるもので、自然生態系や発展途上国の人たちを犠牲にするなどの倫理的問題をはらんでいます。
本書では、裁縫、編み物、染め物、木工、リメイク、芸術など、多様なクラフトの事例を紹介しながら、自然重視の手づくりを生活に取り入れるライフスタイルや、使用する素材の選び方、頻発する自然災害への備えなどについて、具体的に提案しています。
本書を通して、手づくりの可能性を知り、楽しさを実感する人や自然を大切にする人が増え、皆さまの生活が心豊かなものとなることを願っています。
【目次より】
はじめに
序章 「手づくり×自然重視」のすすめ
「つくること」は私たち人間の本性/「手づくり×自然重視」の生活へ/
つくりながら“苦手意識”が喜びに変わるとき/
クラフトは、“正解”よりも“楽しむこと”を大切に
*コラム(1) 「作る」「手づくり」「モノづくり」
*つくってみよう! ~つくり方のご紹介~
第1章 クラフトで変える、私たちの生活と社会
家族のために始めたクラフトから気づいたこと/
使い捨ての文化と、自然への悪影響/
使い捨てが生み出す、世界の「倫理的問題」
*コラム(2) 子どもに伝える「マイクロプラスチック」問題
SNIクラフト倶楽部メンバーの作品ギャラリー1 ~生活の中から~
手づくりのミツロウラップで脱プラスチックを/自然素材の食器洗いクロス/
壞れた傘から“マイ傘袋”を/空き箱を美しくリメイク
第2章 自然の恵みでモノづくりを──地球環境とクラフトの結びつき
「地産地消」の手づくりを楽しむ/
自然の美しい彩りをいただいて──「草木染め」の楽しみ/
身につける服を「手づくり」してみる
*コラム(3) 衣料廃棄の問題「ファッションロス」
*コラム(4) オーガニックコットンのすすめ──環境面・倫理面から
SNIクラフト倶楽部メンバーの作品ギャラリー2 ~自然の素材を使って~
剪定枝を使った鍵置きのオブジェ/竹細工で作った菊底編みのザル/
マリーゴールドと玉ねぎで綿糸を染めて布を織る/
竹皮で作るおにぎり弁当箱/県産材を使い、力を合わせて橋づくり/
クラフトテープで編んだバッグとカゴ
第3章 クラフトは、人間本来の「表現する喜び」
右脳と左脳の望ましいバランス──右脳の働きを伸ばす/
モノづくりの起源と脳の働き──
「手を使うこと」は遺伝子に組み込まれた人間の本性/
「手づくり」を通して、心と肉体を大切にしよう
*コラム(5) クラフトフェアの魅力
SNIクラフト倶楽部メンバーの作品ギャラリー3 ~表現する喜び、そして祈り~
幸せを呼ぶ青い鳥籠/黄楊の古木を花器に~「常楽」/
異なるものを生かし合うつまみ細工「ムスビ」/
一本の端材からバターナイフを作る
第4章 手づくりが世界を救う
手づくりは世界を救い、人々を幸せにしてくれる/
自然と人間の調和のために──宗教的観点から/
自然と調和した「作る喜び」を分かち合おう
*コラム(6) エシカル(倫理的)なモノづくりに向かう世界の動き
おわりに
生長の家のプロジェクト型組織
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